2013年3月11日月曜日

ビルの一角に広がるコロニアル調の優雅なカフェ PS. Cafe @ Palais Renaissance

タクシーで初めて「パレ・ルネッサンスに行ってください」と言う機会に巡り合った。
そしてやはり、運転手に「オーチャードタワーの隣のビルか?」と聞かれた(笑。
久しぶりに会う男友達とのディナーで、彼が指定してきたのが、「パレ・ルネッサンスのPS. Cafe」。男友達は多いが、あの界隈でPS. Cafeを指定してくるのは彼くらいだろう。

の整えられたヘアースタイル丁寧に磨かれた爪、鍛え上げられた腹筋、Club 21で買い揃えたワードローブ、待ち合わせはお洒落なカフェ、そして女性の気持ちをとことん理解してくれるその性格・・・、「こんな男が彼氏だったらいいのにな~」と思う彼は、女性を恋愛対象としない世界の住人である。




当店のあるパレ・ルネッサンスは築1993年の老舗ショッピングモール。2009年に世界初の建築技術も取り入れた大規模の外装工事を行ったが、IONなどの新しい施設に圧され気味だ。それゆえ人気のPS. Cafeの出店は、彼らの存在感の向上に一役買っている。

店内に入るとこのエントランスからは想像できないほど広々としたコロニアル調の空間が。





ビルの裏手にある車寄せにはこんな螺旋階段がある。これもPS.Cafeにつながっている。





店内のテラスのような空間にテーブルを取った。あたかも屋外にいるかのように背の高い木々が植えられ、これがパレ・ルネッサンスの2階だとは俄かに信じがたい。本来は木々の背後にあるシェードを全部ロールアップした解放感たっぷりの空間、残念ながら土砂降りにて閉め切ってある。

この夜は私の愛しきゲイ友と、バルセロナからはるばる遊びに来た共通の友人、そして息子との4人での楽しい宴となるはずであった・・・が、このゲイ友が二日酔い、バルセロナが病み上がりと、結局お酒を飲めるのが私くらい。まあ、いいかと気を取り直して、キールロワイヤルを。





息子はミルクシェイク。PS. Cafeのミルクシェイクは絶品だ。




PS. Cafeとは、パラゴンのProjectShopというセレクトショップがカフェを併設したのが始まりで、「PS」もこの店名のイニシャルから来ている。私が来星したばかりの2008年は、息子とよくこのパラゴンのカフェで美味しいマフィンとミルクシェイクをいただいたものだ。当時はもうデンプシーの2号店も出来ており、たまに週末のブランチに使っていたが、普段使いにはちょっと高額な感があった。




この夜はディナーながら、みんな「食欲がない」だの、「病み上がりだから」だのということで、結局軽食をシェアすることに。まあカフェだから良いんですが。上写真は名物のトリュフ・シューストリング・フライ。トリュフオイル、パルメザンチーズ、パセリに絡めたフライドポテトで、おしゃべりしながら食べるのにもってこいだ。





シンガポール・チリ・クラブ・ケーキ。




ニホン・サラダ。 サーモンやお豆腐、枝豆が入ったヘルシーなサラダ。




病み上がりの友人はポートベロ・マッシュルーム・スープを。かわいそうに・・・。

さて、コーヒーでも・・・と思っていたら、ゲイ友が突然、「デザート食べたい!」と言いだした。「でもあなた二日酔いじゃないの?」と聞くと、「デザートは別腹なのっ!」と。しかも選んだのはダブルチョコレートケーキ。ひぇぇ・・・。




私も何となくデザートが食べたくなり、ジンジャーパンプディングを。生姜のピリリとした味と、まろやかなバニラアイスのコンビネーションがいい。プレゼンテーションも美しい。これがPS. Cafeの付加価値。




いつもはこれから2軒目、というところだが、これまでの流れにより解散となった。バルセロナの友人は宿泊先のセントレジスで寝込む以外何もせず、次の出張先である台湾へと旅立っていった。




ところでPS. Cafeのアンシャンヒル・パーク店が子供厳禁なのはご存じだろうか。出来たばかりの頃知らないまま息子を連れて行き、同じくそうとは知らず予約をしてい た友人たちが無理を通してテラス席を作ってもらいディナーを食べたのだが、その際息子の手がワイングラスに触れて、グラスが割れた。その時に思ったのが、 「PS. Cafeさんのポリシーは間違っていない」ということだった。シンガポールの飲食店は案外どこでも子供連れOKだが、食事だけでなくその空間や雰囲気にも お金を払っている客にとってはそんな訳にはいかない。子供が分別のつく年頃になるまで、親が責任を持って食事の場所のTPOをわきまえることは、子供に とっても最善なことだと思う。

ちなみにアンシャンヒル・パーク店以外のP.S. Cafeは、すべてキッズフレンドリーです♪ (アンシャンヒル・パーク店だけは、大人のための店というコンセプトです)


ごちそうさまでした!


P.S. Cafe (Palais Renaissance)
LEVEL 2. PALAIS S.C
390 ORCHARD ROAD
TEL: 9834 8232
http://pscafe.com/



2013年3月4日月曜日

創業400年ドイツの名門リースリングのワインディナー Wine Connection @ Cuppage Terrace

ワインコネクションが定期的に開催しているワインペアリングディナーは、リーズナブルながらコース料理がいただけ、しかも醸造所の方と話す機会もあるので、前回紹介したアルゼンチンワインディナー同様、ほぼ毎回楽しみに参加している。

先日開催されたドイツワインディナーに、お酒大好きの友人みさおちゃんと参加した。今回フィーチャーされたのは1600年(関ヶ原の戦いの年!)に起源が遡る名門ワイナリー、ゼルバッハ・オスター。生産するワインのほとんどがリースリングで、手ごろな価格ながらロバートパーカーを始め多くの権威ある評価を得ている。シンガポールではワインコネクションでしか買えないワインブランドでもある。




フランスからドイツを流れ、ライン川に合流するモーゼル川のあたりは、ヨーロッパでも有数なワイン産地として知られる。ゼルバッハ・オスターのぶどう畑は、モーゼル川に面した斜面にある50ヘクタールの土地。デボン紀の粘板岩や黒土に恵まれ、場所によって日光の当たり方や土壌が異なり、それによって異なる味が楽しめる。リースリングらしいフルーティな後味と程良い酸味が特徴だ。現当主のヨハネス・ゼルバッハ氏(下写真)がゲストスピーカーとして来場し、情熱溢れる解説をしてくださった。




さて、こちらはワインコネクションのPRパーソン、フランス出身のフィオナさん。クールな容姿に明るく社交的な彼女の性格は、当店のPRにかなりポジティブに貢献していると思う。まだ来星一年足らずだが、暇を見つけては東南アジアを旅行し、シンガポール生活を満喫している。旧正月はミャンマーを旅し、最近はインドネシアのメダンでトレッキングを楽しんだそうだ。




ドイツワインというと、かつて安いワインが大量に流通した時の記憶もあり、何となく避ける傾向にあった。リースリングも、あのミネラルの味や甘めの味が今ひとつ苦手だった。しかし、ヨハネスさんが、「リースリングはオーケストラのような品種です。一つの品種なのに色んなフレーバーを奏でることができるのです。」と言われたのに興味をそそられた。


 


まずは前菜と合わせる1杯目。2011 SELBACH - Riesling Classicはドライで柑橘系のすっきりとしたワイン。アルコール度数は12度で、今回出されるワインのなかでは最も高いそう。この地域は寒冷地のため、長時間をかけて発酵されることで、全般的にアルコール濃度が低く、糖度が高い。


Salad of Smoked Chicken Breast, Walnuts & Apple Slaw


2杯目は、2011 SELBACH - Riesling Kabinett Zeltinger Himmelreichを。カビネットは、ドイツワインのなかでも最も糖度の低いぶどうで造られるワイン。フルーティで、甘いシロップの後味と口のなかを潤すような酸味があった。カビネットのなかでも伝統的スタイルという。ゆっくり発酵することで、芳醇なアロマとフルーティさが保たれている。

ここでヨハネス氏からサプライズワインが登場。同じ銘柄の2009年物との飲み比べだ。こちらはよりドライ感が強かった。同じ畑の同じぶどうでも生産年や熟成度合いの違いで味が変わるものだ。ヨハネス氏が「オーケストラ」と言った意味が少し分かるような気がした。




Poached Oriental Pork & Cabbage Dumpling in Chicken Broth, Scallion Oil

 
3杯目の2011 SELBACH-OSTER - Zeltinger Schlossberg Riesling Kabinettは1杯目と比べてアルコール濃度的には半分で、ヨハネス氏によると「友達と会話とワインの両方を(しらふで)楽しみ、千鳥足で家に帰ることもないワイン」だという(笑。より時間をかけて発酵することで、アルコール濃度がさらに低くなるとともに、土壌(岩)のミネラル分も感じさせる。こちらも2009年の同レーベルのワインと飲み比べた。


Slow Roasted Veal Shoulder with Duck Foie Gras Sauce, Medley of Mushrooms, Buttered Tagliatelle


4杯目にチーズと合わせた2010 SELBACH-OSTER - Zeltinger Schlossberg Riesling Spaetlese(92 Parker)は、パーカーポイント92点の2010年物最後のボトル。蜂蜜のような甘い後味が印象的で、カビの苦みを含んだチーズとの相性も抜群。もう2010年物は無くなってしまったが、2011年物はもうすぐ入荷するそうだ。




Cheese Plate with Crusty Bread & Grapes


そして最後にデザートと合わせるサプライズワインの登場! アップルコンポートと味がシンクロするような、蜂蜜の味がするアイスワイン。ドライ好きな私にはかなり甘めに感じたが、デザートとしていただくのには良いかもしれない。



Poached Apple in Spiced Riesling Syrup, Topped with Honey & Cinammon Mascarpone



途中でヨハネスさんによるくじ引き大会が。そして何とワインのご褒美がただ一人みさおちゃんの手に!





これです!





2007年もののシュペトレーゼ。ヨハネスさんお墨付きの美味しいワイン♪ 良かったね(^_^)/


冷たく冷やした白ワインを飲みながら常夏の風に吹かれるのは気持ちの良いものだ。ヨハネスさんも「これからもっとシンガポールでリースリングの需要が高まるだろう」と笑顔満面。次はリースリングを買いこんで、イーストコーストでバーベキューでもしたいなと思う。


ごちそうさまでした!


Wine Connection - Orchard Cuppage Terrace
39/41 Cuppage Road
TEL: 6836 9069




おめでとう(*^^)v