2012年12月16日日曜日

「香港の寿司王」リッキー・チェンのカジュアル本格寿司店 板長寿司

板長寿司は、「香港の寿司王」リッキー・チェン氏率いるTaste of Japan Group(和の味グループ)のカジュアル寿司レストランだ。




子供のころ一口食べた寿司に惚れ込み、新宿の寿司屋の皿洗いから寿司職人に上り詰め、熊本の「味千ラーメン」を香港に誘致し、そこで得た軍資金で、元々やりたかった寿司屋をオープンした。リッキー・チェン氏はアジアの飲食業界では立志伝中の人物として知られている。

当時寿司屋を開業しようにも、ネタの仕入れルートはまだ封建的で、外国人のチェン氏は随分苦労したそうだ。その時テレビ番組制作会社を辞めて亡き父の水産加工会社を継ぎ、やはり孤軍奮闘していた現板前寿司日本法人社長の中村桂氏と出会い意気投合、彼の協力により仕入れルートを確保した。そして2004年、寿司激戦区の赤坂にあえて「板前寿司」第1号店をオープン。外国人で初めて築地市場で行われた大間産マグロの初競りで最高値で競り落とし、世間を賑わせたこともある(ちなみにチェン氏は2008年から2011年まで最高値で落札し続けている)。

余談だが、味千ラーメンが香港に進出した際にプロモーションを手掛けた熊本の飲食コンサルティング会社「インショックジャパンインターナショナル」が、その後もチェン氏と良いパートナー関係を維持し、その甲斐もあって熊本の老舗喫茶店「岡田珈琲」、熊本の焼肉屋「孫三郎」が次々と海外進出に成功している。シンガポールから見る限り、熊本は地方自治体のなかでも海外PRに積極的だが、このような背景も作用しているのかもしれない。


話を一番最初に戻すと、「板長寿司」は「板前寿司」のアップグレード版で、価格はリーズナブルながら注文を受けてから作る本格寿司屋。今回私が行ったのは、ジュロンイーストのJCube店。シンガポールには他にION店、プラザシンガプーラ店、ブギスジャンクション店、チャンギ空港がある。
ここでは、寿司だけでなく、「自家うどん」というブランドで和の味が手掛けるうどんも味わえる。


 


店内に入ると、「いらっしゃいませ~」と元気良い掛け声が。スタッフは全員ローカルのようだ。店自体もローカル向けのため、テーブルには「寿司の食べ方」を図解した紙が敷かれている。こういう親切さがいい。

まずはお茶。




お茶とおしぼりは有料だが、一人当たり10ドル以上の飲食で無料になる仕組みだ。

メニューを見たら握りは1ドルからセットは20ドル位からと一般庶民には手の届くご馳走だ。息子はカリフォルニアロール($2.40)にたまご($1.00)とえび($1.20)の握りを単品で。大好きなきつねうどん($7.50)もオーダーした。注文票に書き込んでオーダーする仕組みだ。




 息子の食べたカリフォルニアロールの切れ端を食べてみた。普通に美味しくて驚いた。




次にたまごとえび。実はえびをさび抜きでと言うのを忘れていて、息子は食べることが出来なかった。息子とオーダーしたので事前にちょっと確認して欲しかったなと思ったのだが、これは客のエゴだろうか。


私が頼んだのは「Haru」寿司セット($21.40)。

まずお味噌汁が来た。




魚のあらを使っているのかなと思ったが、脂のコクと濃厚なだしが美味しかった。




お待ちかねのセットはこんな感じ。奥にあるのはスイートチリソースがかかった生春巻きのサラダ。先にお寿司を食べることにした。ネタは軽く炙ってあって、牛肉やえんがわのお寿司など結構美味しかった。生春巻きは、寿司と合わせるならスイートチリソースよりはナンプラーを使ったソースの方が合っていたかもしれない。総じて値段の割にはイケるんじゃないかと思った。ただ残念なのは、食べている間、テーブルの脇を何度か食器を片づける台車がゴロゴロと通ったことだ。


そして、きつねうどん。




基本的に味が薄い。写真から推察できるように、油揚げも味が薄い。麺自体は美味しかったが、これで$7.50は日本人にとってはちょっと高い気がする。ただうどんメニュー自体は種類豊富だったので、次回は味の濃そうなものを選んでみようと思った。


お寿司はバリューフォーマネーではあるが、日本人もターゲットにするならサービス周りをもう少し頑張って欲しい。日本の板前寿司を含めグループ内でのノウハウを共有すれば、きっと一緒に高め合えると思う。

あともうひとつ、どうしても言っておきたいのが、ウェブサイト。板長寿司のウェブサイトは香港仕様の広東語だ。広東語が読めなければ分からないだけでなく、シンガポールの店舗情報も、全て広東語なのだ。 「新地星商場」はION、「獅城大廈」はプラザシンガプーラ、「白沙浮廣場」はブギスジャンクション、「維多利街」はビクトリアストリート。シンガポールでは住所は基本的に英語表記なのだから、こう書かれても分かる人の方が少ないのではないかと思う。Facebookページがあるのは知っているが、もう島内に5店舗あるのだから、シンガポーリアン向けの英語バージョンを 作ってもいいんじゃないかと思う。 (2012年12月現在)


コスパも良いし、カジュアルにお寿司をつまむのにはおススメ!


ごちそうさまでした!


板長寿司 (JCube店)
JCube #02-05, 2 Jurong East Central 1
TEL: 6684 4083
http://www.itacho.com.hk/










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