2012年12月21日金曜日

ハンドドリップコーヒーと「ぐりとぐら」ちっくなパンケーキ 星乃珈琲店

「ぐりとぐら」という童話をご存じだろうか。
赤と青のつなぎと帽子がトレードマークの野ねずみの話だ。
「料理することと食べることが大好き」というグルメな2匹は、フライパンからはみ出すほど膨らんだ卵たっぷりのカステラをつくるのが大得意。

このカステラそっくりのパンケーキを出す店がシンガポールにやってきた、と聞いたら行かない訳にはいかない。

星乃珈琲店である。




星乃珈琲店は、ドトール・日レスホールディングス傘下の日本レストランシステムが運営している。日本レストランシステムは1973年創業の老舗の飲食オペレーターで、運営店舗には、「洋麺屋 五右衛門」、「カフェミラノ」、「地鶏や」、「卵と私」などがある。2007年にドトールと経営統合し、2010年にはThe Asian Kitchen社との業務提携を通じてシンガポールに進出した。




当店は塚田農場もあるプラザシンガプーラ新館アトリウムの2階、エスカレーターを上った右側にある。




瀟洒な老舗喫茶店の雰囲気を醸した内装。
店の入り口では精巧につくられた食品サンプルたちが。通行人においでおいでと手招きをしているようだ。もちろん例のパンケーキも。




珈琲店という名前の通り、当店はコーヒー専門店である。
コーヒースペシャリストの菅野眞博氏が世界中から選び抜いた豆を使用、自家焙煎にこだわり、挽き立ての豆をハンドドリップで丁寧に淹れたプレミアムコーヒーが売りだ。

まずはその味を堪能すべく、星乃ブレンド珈琲を注文した。




小さいカップに入ったクリーマーが日本の喫茶店らしい。一緒にいたインド人の友人が、「かわいい~これが日本ね~」と喜んでいた。一口飲んで、まずコーヒーに使った水の透明感を感じた。余計なえぐみや酸味がなく、スムーズで飲みやすい。巷にイタリア風のカフェが多いせいか最近は濃いめのコーヒーに慣れていたので、こんなにさらっとしたコーヒーは久しぶりだなと思った。

ギリシャから来た友人はアイスコーヒーをオーダーした。彼もきっとヨーロッパ流の濃いコーヒーに慣れているんじゃないかと思ったが・・・。




銅製のようなカップに入った冷たいコーヒーはやはりスムーズで美味しいと言っていた。豆はアイスコーヒー専用にブレンドされているそうだ。なお、コーヒーは注文してからハンドドリップで淹れるため、出てくるまでに若干の時間を要する。


先ほどの食品サンプルにもあったように、当店はパスタ、サンドウィッチ、サラダなど、軽食も豊富にそろっている。




クラムチャウダー。




ハムのサンドウィッチ。




一息ついたところで、お楽しみのデザート。




まずはフォンダンショコラ。カップに入っているのはアイスクリーム。スプーンで割ると中から温かいチョコレートソースがとけだしてきた。アイスクリームの冷たさとソースの温かさを同時に楽しめる。

そして、お待ちかねの名物スフレパンケーキ。2段・・・といきたいところだったが、今回は1段をオーダーした。4種類のシロップからは、黒糖シロップをチョイスした。




どうだろう、この厚み、「ぐりとぐら」のカステラそっくりではないだろうか。




黒糖シロップをたっぷりかけた。
真ん中にはホイップしたバター。




断面図はこんな感じ。スフレっぽいふわふわのエアー感を期待していたが、どちらかというとしっかりした食感のパンケーキだった。ホイップバターがなんとも美味しい。

まだ開店して数か月(2012年12月現在)だからだろうか、スタッフの対応に少しもどかしさも感じたが、これもいずれは解決されることと期待している(メニューの中には注文から時間がかかるものもあり、できればこれらに関しては注文時に改めて念を押して欲しい)。次回は抹茶を使ったドリンクやほかのスフレデザートも試してみるつもりだ。


ぐりとぐらにも食べさせてあげたいな。


ごちそうさまでした!


星乃珈琲店
#03-84, Plaza Shingapura The Atrium@Orchard, 68 Orchard Road
TEL: 6338-3277


2012年12月20日木曜日

ママ必見! 保存料・着色料無添加、糖分控えめのプチプラ・シフォンケーキ Yummi Chiffon

シンガポールのローカルスイーツは基本的にとても甘い。
ローカルのケーキ屋さんに行くと、合成着色料をふんだんに使ったカラフルなホールケーキが並んでいたりする。
美味しいのだが、小さい子供を持つ母としては、添加物や過剰な砂糖摂取が気になる。

たまたまタンジョンパガー駅のショッピングアーケードで、「No Artificial Flavors, No Preservatives, Low in Sugar, Low in Fat」(合成着色料なし、保存料なし、砂糖控えめ、脂肪分控えめ)という看板の小さな店を見つけた。「Yummi Chiffon」(美味しいシフォン)という店だ。しかもひとつが1.6ドルほど(種類によって高いものもあります)とお財布に優しい値段だ。

早速買ってみたらその素朴で控えめな甘みが子供向けにちょうど良かった。それからちょくちょく家でのおやつ用に買っている。




当店のシフォンケーキは10種類以上あり、なかでも一番人気は、シンガポールらしい「パンダンリーフ」シフォンケーキだ。2007年にオーナーのジェシカ・コックさんが3つのフレーバー(オレンジ、バナナ、チョコレート)で始めたシフォンケーキ屋だったが、多くの客からパンダンリーフ味を作ってくれと頼まれ、作って出してみたところ大人気となった。

この日は以下の6種類を買った。ちなみに商品を渡されるとき必ず店頭で「2日以内に食べてください」と念を押される。保存料が入っていないからなのだが、確かに買って2日経つとシフォンのふわふわ感もなくなってしまう。「買ったらできればその日のうちに食べる」がここのシフォンケーキの鉄則である。




ちょうど大人の両手に乗る位の大きさ。割と食べごたえがある。




これが一番人気で私も大好きなパンダンリーフ味。ケーキに混ぜ込まれたココナッツの繊維のシャキシャキとした歯ごたえがある。




見た目も楽しいオレオ味。クッキーの粒が控えめに入っている。




ストロベリーヨーグルト味だっただろうか・・・。このふんわり感に注目!




チョコレート味。これもほんのりとした甘さが良い。




私のイチオシがこのウォルナッツとカプチーノ味。くるみの粒とコーヒーの風味が、ちょっと大人の雰囲気だ。




ヨーグルト味だったと思う。素朴な味にちょっとした酸味を感じるのがいい。

他にもオレンジ味など楽しいフレーバーがたくさんある。そのまま食べてもいいし、少し泡立てた生クリームやジャムを添えてもいいと思う。プレーンなケーキに子供たちとデコレーションをするのも楽しそうだ。甘さが控えめなので、色んなアレンジができる。

買い置きが出来ないが、それも保存料無添加ゆえのこと。あまり甘くはないが、それも砂糖控えめゆえのこと。子供たちが美味しく食べている姿を安心して見ていられる、数少ないローカルスイーツのひとつである。


ごちそうさまでした!


Yummy Chiffon (Tanjong Pagar Branch)
120 Maxwell Road #B1-04 Tanjong Pagar Xchange


たまにはこんなチョコレートバーにも惹かれます・・・

2012年12月18日火曜日

紙に包まれた極上の鶏肉を味わいつつ、友の門出を祝う Hillman Restaurant

タンジョンパガーにあるシンガポールのランドマーク的HDB(住宅開発庁)フラット(日本で言うところの公団マンション)、Pinnacle@Duxton。1963年築の古いHDBフラット2棟を取り壊し、4年の工事期間をかけて竣工したのが2009年。HDB史上最も高い50階建てのビルの屋上にはスカイガーデンがあり、一般開放もしている。

その再開発前に建っていた古いHDBフラットと共に歴史を歩んだのが、広東風土鍋料理で知られるHillman Restaurantだ。1930年代に中国・広東省から移住し屋台などを営んでいた夫婦が、戦中戦後の苦難を乗り越え、タンジョンパガーで当時新築だったこのHDBに当店を開業。9人の子供たちを育てながら切り盛りし、店は大繁盛した。

その味は3代目に受け継がれ、再開発を受けて2003年にMRTファラーパーク駅近くのキッチナーロードに移転した。




年代もののショップハウスが立ち並ぶ通りに映える紫色の看板。




日本語でヒルマンレストランと表示されている。下に(ペーパーチキン)とも。

当店は日本の経済成長華やかかりし頃から、舌の肥えた日本人駐在員によって口コミで広められ、今では在星日本人コミュニティで知らない人はいないというほどの認知度を誇る。店自体も、看板やメニューにきちんとした日本語表記を付けるなど、日本人向けの対応を怠っていない。

ちなみに当店はパシールパンジャンに支店があり、その名をManhill Restaurantという。なぜHillとmanの配置を逆にしたのかは謎だ。

実はここで、こちらもシンガポールのツイッターコミュニティで知らない人はいないというほどの認知度を誇る、「すうさん(概念実証機)」の本帰国前送別会が開かれた。




送別会をダシにした、ペーパーチキンを食べる会でもある(笑。
看板にもあるように、当店は日本人には土鍋料理よりは鶏料理メニューの一つである「ペーパーチキン」で知られている。

この会の主催者であるヘビーな常連氏が、「もうメニューさえ持ってきてくれないんですよ」と言いながら、ソラで注文した料理の数々が出てきた。




タイガービールで乾杯し、まずはレタス・・・。




もちろんレタスだけではない。のっけから、「高すぎて大抵日本人しか注文しない(主催者談)」という、フカヒレ入りスクランブルエッグ(小$40、中$60、大$80)が登場した。




こうやって新鮮なレタスに包んで食べる。シャキシャキした歯ごたえと、柔らかいスクランブルエッグのコンビネーションが最高だ。




この模範例のように、一口で食べる。




中国名を「双喜豆腐」という、とても縁起の良いハッピー豆腐(小$14 中$22 大$30)。なめらかな豆腐に土鍋風のあんがかかった、人気の一品だ。




見た目はタレの乗っていないたこ焼きのようだが、これはソトンボール、あるいはイカボール(小$14 中$22 大$30)という。これをつまみにビールが進む。

そして意外にも美味しかったのが、このシャキシャキのもやし炒め(小$9 中$14 大$18)。 塩と中華だしのシンプルな味で、家でも再現できそうな気がした。




真打の登場。




このペーパーチキン(5本$10 10本$20 15本$30 20本$40)は、骨を抜いた鶏肉を、醤油、紹興酒、ごま油などで作った秘伝のタレに漬けこみ、パラフィン紙の袋に包んで揚げたものだ。来星時にこの味に惚れ込んだフランス料理界の権威ポール・ボキューズ氏が「このペーパーチキンにミシュラン3ツ星を進呈する」と言ったとか。




美味しいものは食べる前にスマホで写真を撮るのが、SNSに慣れ親しんだ者達の礼儀である。




パラフィン紙を破った途端、 焦がし醤油のようなごま油のような、何とも食欲をそそる香りが立ち昇る。肉汁をたたえた柔らかな鶏肉が顔を出す。もう箸なんか使っていられない。両手を使ってムシャムシャとかぶりつく。




殻を捨てるのがもどかしいくらいだ。




そしてペーパーチキンは、一つ減り、二つ減り・・・




 「最後の一つはもちろんすうさんに」という配慮をした者はいただろうか。




女の子達にとってデザートはもちろん別腹だ。この夜は思いがけず、大学院時代のクラスメイトで、偶然にも同時期にシンガポールに滞在している、ママ友でしかも共通の趣味を持つ親友が同席し(本当にお互い全く予期していなかった・・・)、噂のNinja Girlsの素敵なお嬢さんも参加されていた。女子みんなでボリューム満点の杏仁豆腐($4)を平らげた


ツイッターで何となく呟いていたら、友人が増え、それが色んな方向に広がっていった。すうさんは私がシンガポールで本格的につぶやき始めた頃から付かず離れず見守ってくれたツイ友の一人だ。その彼がシンガポールからいなくなるのは淋しいが、きっと日本でもマニアックなツイートで私を励ましてくれることだろう。

すうさん、またどこかでお会いしましょう。どうかお元気で!


ごちそうさまでした!


Hillman Restaurant
135 Kitchener Road
TEL: 6221-5073
http://hillmanrestaurant.com/    



2012年12月16日日曜日

「香港の寿司王」リッキー・チェンのカジュアル本格寿司店 板長寿司

板長寿司は、「香港の寿司王」リッキー・チェン氏率いるTaste of Japan Group(和の味グループ)のカジュアル寿司レストランだ。




子供のころ一口食べた寿司に惚れ込み、新宿の寿司屋の皿洗いから寿司職人に上り詰め、熊本の「味千ラーメン」を香港に誘致し、そこで得た軍資金で、元々やりたかった寿司屋をオープンした。リッキー・チェン氏はアジアの飲食業界では立志伝中の人物として知られている。

当時寿司屋を開業しようにも、ネタの仕入れルートはまだ封建的で、外国人のチェン氏は随分苦労したそうだ。その時テレビ番組制作会社を辞めて亡き父の水産加工会社を継ぎ、やはり孤軍奮闘していた現板前寿司日本法人社長の中村桂氏と出会い意気投合、彼の協力により仕入れルートを確保した。そして2004年、寿司激戦区の赤坂にあえて「板前寿司」第1号店をオープン。外国人で初めて築地市場で行われた大間産マグロの初競りで最高値で競り落とし、世間を賑わせたこともある(ちなみにチェン氏は2008年から2011年まで最高値で落札し続けている)。

余談だが、味千ラーメンが香港に進出した際にプロモーションを手掛けた熊本の飲食コンサルティング会社「インショックジャパンインターナショナル」が、その後もチェン氏と良いパートナー関係を維持し、その甲斐もあって熊本の老舗喫茶店「岡田珈琲」、熊本の焼肉屋「孫三郎」が次々と海外進出に成功している。シンガポールから見る限り、熊本は地方自治体のなかでも海外PRに積極的だが、このような背景も作用しているのかもしれない。


話を一番最初に戻すと、「板長寿司」は「板前寿司」のアップグレード版で、価格はリーズナブルながら注文を受けてから作る本格寿司屋。今回私が行ったのは、ジュロンイーストのJCube店。シンガポールには他にION店、プラザシンガプーラ店、ブギスジャンクション店、チャンギ空港がある。
ここでは、寿司だけでなく、「自家うどん」というブランドで和の味が手掛けるうどんも味わえる。


 


店内に入ると、「いらっしゃいませ~」と元気良い掛け声が。スタッフは全員ローカルのようだ。店自体もローカル向けのため、テーブルには「寿司の食べ方」を図解した紙が敷かれている。こういう親切さがいい。

まずはお茶。




お茶とおしぼりは有料だが、一人当たり10ドル以上の飲食で無料になる仕組みだ。

メニューを見たら握りは1ドルからセットは20ドル位からと一般庶民には手の届くご馳走だ。息子はカリフォルニアロール($2.40)にたまご($1.00)とえび($1.20)の握りを単品で。大好きなきつねうどん($7.50)もオーダーした。注文票に書き込んでオーダーする仕組みだ。




 息子の食べたカリフォルニアロールの切れ端を食べてみた。普通に美味しくて驚いた。




次にたまごとえび。実はえびをさび抜きでと言うのを忘れていて、息子は食べることが出来なかった。息子とオーダーしたので事前にちょっと確認して欲しかったなと思ったのだが、これは客のエゴだろうか。


私が頼んだのは「Haru」寿司セット($21.40)。

まずお味噌汁が来た。




魚のあらを使っているのかなと思ったが、脂のコクと濃厚なだしが美味しかった。




お待ちかねのセットはこんな感じ。奥にあるのはスイートチリソースがかかった生春巻きのサラダ。先にお寿司を食べることにした。ネタは軽く炙ってあって、牛肉やえんがわのお寿司など結構美味しかった。生春巻きは、寿司と合わせるならスイートチリソースよりはナンプラーを使ったソースの方が合っていたかもしれない。総じて値段の割にはイケるんじゃないかと思った。ただ残念なのは、食べている間、テーブルの脇を何度か食器を片づける台車がゴロゴロと通ったことだ。


そして、きつねうどん。




基本的に味が薄い。写真から推察できるように、油揚げも味が薄い。麺自体は美味しかったが、これで$7.50は日本人にとってはちょっと高い気がする。ただうどんメニュー自体は種類豊富だったので、次回は味の濃そうなものを選んでみようと思った。


お寿司はバリューフォーマネーではあるが、日本人もターゲットにするならサービス周りをもう少し頑張って欲しい。日本の板前寿司を含めグループ内でのノウハウを共有すれば、きっと一緒に高め合えると思う。

あともうひとつ、どうしても言っておきたいのが、ウェブサイト。板長寿司のウェブサイトは香港仕様の広東語だ。広東語が読めなければ分からないだけでなく、シンガポールの店舗情報も、全て広東語なのだ。 「新地星商場」はION、「獅城大廈」はプラザシンガプーラ、「白沙浮廣場」はブギスジャンクション、「維多利街」はビクトリアストリート。シンガポールでは住所は基本的に英語表記なのだから、こう書かれても分かる人の方が少ないのではないかと思う。Facebookページがあるのは知っているが、もう島内に5店舗あるのだから、シンガポーリアン向けの英語バージョンを 作ってもいいんじゃないかと思う。 (2012年12月現在)


コスパも良いし、カジュアルにお寿司をつまむのにはおススメ!


ごちそうさまでした!


板長寿司 (JCube店)
JCube #02-05, 2 Jurong East Central 1
TEL: 6684 4083
http://www.itacho.com.hk/