トレイルランと美味しいシーフードを求めて、友人たちとバムボートに乗った。チャンギビレッジジェティの乗り場に行くと、乗客が12人位集まった時点ですぐにボートを出してくれる。乗船料は片道2.5ドル。自転車持参だとプラス2ドル。朝6時から夜8時まで運行している(30ドルで全船チャーターも可能)。
桟橋を降りると、いきなり古き良きシンガポールに遭遇する。
ウビン島のウビンはマレー語で「花崗岩」を意味し、イギリス人入植者が発見した19世紀前半からこの島に眠る豊富な花崗岩の切り出しが始まった。花崗岩はその緻密さと硬さから、日本では城壁、鳥居、石橋などの石材として使われてきたが、当国でも、1851年に建設されたホースバーグ灯台や、ウッドランズとジョホールをつなぐコーズウェイの建築に使われるなど、東南アジアにおける交通の要所としての基礎造りに貢献した。1960年代には数千人が住んでいたこの島、70年代後半の採石場の閉場後は人口が減少し、今は数百人が住む程度だ。その頃からパッタリと時間が止まったような街並みの雰囲気が面白い。
桟橋を降りると、道の両脇にレンタル自転車屋が軒を連ねる。ウビン島は現在国立公園管理局の管理下にあり道が整備されているため、島に来る人の大半はこの通りで自転車を借りて散策する。値段は一日借りて20ドル位。補助輪付の子供用もある。借りる際には必ず試し乗りをして、ブレーキの効き具合やタイヤの空気圧、乗っている時に変な音がしないかなどを確認することをお勧めする。
自転車屋街道を抜けてレストランや雑貨屋が集まる「ウビン銀座」(?)を通り、私たちはトレイルランへ。無謀にも炎天下の午後1時頃スタートしたが、本来は朝7時とかにやるべき行為だと思う。
さてこれは何でしょう?
桟橋の先にある個室を開けてみると床板の真ん中に穴が開いている。 野性味溢れるトイレである。
走っていると、数キロ毎にこのような飲み物屋にぶつかる。有難い。ここで飲む冷たいココナッツジュースは命の水だ。
この島には11の祠があると言われている。これはGerman Girl Shrine。ドイツ娘の祠である。話は第一次世界大戦に遡る。1914年イギリスがドイツに宣戦布告すると、当時の英国領だったシンガポールでは、イギリス政府によるドイツ人の財産、土地等の接収が行われた。当時ウビン島では2組のドイツ人夫婦がコーヒープランテーションを運営していたと言われている。そのうちの一つの土地を接収しにイギリス軍が訪れた時、当時18歳になる夫婦の娘(詳細不詳)が恐れて逃げ出し、このあたりの崖で足を滑らせて亡くなったという。マリア様のような観音や十字架が祠に祭られているなか、地元の人たちが中国式の線香をあげている。玄関に掲げられた1896の年号はドイツ娘の生まれた年だという。
この祠は土着信仰の対象となっており、特にハードコアなギャンブラー達の信仰を集めている。また、オーストラリアに移住したとあるウビン島民の夢枕に3夜連続でこのドイツ娘が現れたことから、その人は娘への信仰を表すため、祠に(なぜか)バービー人形を贈った。今でもドイ ツ娘の祠のシンボルはそのバービー人形だそうだ。上の写真からも、真ん中にバービー人形が置いてあるのが何となく分かる。
かつての切り出し場がこのような大きな池になって点在している。
ここにはキャンプ場とともに、古びたリゾートホテル・・・というか宿泊場、Celestial Resortがある(ちなみにFree Wi-Fi)。これはそのヴィラのひとつ。ヴィラのなかにはベッド以外何にもないが、満点の星に囲まれて眠るのがこの島の一番の贅沢だ。スタンダードルームには海に面したテラスが。全室にBBQ台があるのもいい。
Celestial Resortでは、宿泊以外にカヤッキングやフィッシュスパなども楽しめる。詳しくは(あまり詳しくないけど・・・笑)同リゾートのウェブサイト(http://ubinbeach.celestialresort.com)へ。
ここは熱帯雨林の植物や花々の宝庫。様々な種類の鳥や蝶が生息し、たまに野ブタにも遭遇する。今回行きそびれた島の東端にある100ヘクタールの湿地帯チェックジャワ(Chek Java)は、海岸沿いにボードウォークが設けられており、湿地に足を埋めることなくマングローブを見ることができる。この湿地帯、実は政府の埋立予定地だったが、その稀有な生態系を維持せよとの市民の声が強く、政府が予定を撤回し今は再開発に取り組んでいる。見学時は国立公園管理局のガイドツアーに参加するのもお勧めだ。
トレイルランでクタクタの体を引きずり、私の大好きなプラウウビンシーフードへ。看板の左下にゴーチョクトン前首相来店時の写真が貼ってあった。
何と言っても、冷え冷えのビールが美味い。炎天下の苦しみが報われる瞬間。
なかでも私が一番好きなのが、このエビ料理。大か小か量を選んで、調理法は10種類近くある選択肢から選べる。これはソルテッドエッグ味。ちょっと塩味のたまごが絡まってむちゃくちゃ美味しい。他にもバター味やチリ味など、全部試したくなる。
これはイカのソテー。これも調理法が選べる。辛い物好きの友達が、サンバル味をチョイス。野菜のソテーもサンバル味にされてしまった。さらに麻婆豆腐も加わり、ご覧のとおりのサンバル祭り。
ご飯とミネラルウォーターも入れて、ビール代を除き3人で51ドル。これは破格である。支払にはアメックスなどのクレジットカードは使えるようだが、念のため現金の準備もしておいた方がよさそうだ。
時間の止まったこの島では、野良犬たちも悠々としている。
午後6時頃からレンタル自転車屋も店じまい。
私たちも暗くならないうちに帰りましょうか・・・。
自然がいっぱいのウビン島、次回は泊りがけで来るのも良いかも。
ごちぞうさまでした!
Pulau Ubin Seafood
Pulau Ubin
National Parks Pulau Ubin Guide
http://www.nparks.gov.sg/cms/index.php?option=com_visitorsguide&task=parks&id=29&Itemid=73#content
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