2012年10月28日日曜日

格安フォアグラの行列フレンチ Saveur

4月の移転オープン時から常にシンガポールの食通たちの話題に上っているのが、このSaveurだ。
この店名はフランス語で「味」を指し、日本語ではサヴールと発音するようだ。(例えば丸の内の「サンス・エ・サヴール」) しかし本場の発音はかなり違うようなので、後ほどご紹介したいと思う。


なぜこの店が人気なのかはいくつかの理由がある。

まず「話題性」。名門ギ・サヴォアやオーストラリアのジャパニーズフレンチTetsuya'sで修業を積んだ未だ20代のジョシュア・クーとディラン・オングが、「シンガポールで誰もが気軽に食べられるフレンチを」と、コピティアムにフレンチ屋台を出店。それが大人気となり、ラッフルズ・ホテルの近隣、パーヴィスストリートに店を出した。パーヴィスストリートと言えば、地元のカフェに加え、高級フレンチのギュンターズや高級イタリアン、ガリバルディが並ぶ激戦区。そこにフレンチ「屋台」が打って出た、という訳だ。

そして2番目の理由が、その「驚くべき安さ」。フォアグラが$7.90から食べられるとあって、それだけのために足を運ぶ(んだ)人も多いと思う。

最後の理由が、「予約不可」というところ。この方針は今後客の足並みが落ち着いたら変わってくるかもしれないが、このために今でも(2012年10月現在)ランチタイムは30分位前から行列ができる。行列好きなシンガポーリアンたちをはじめ、西欧人や観光客たちが毎日辛抱強く並んでいる。

ランチタイムの数十分前にちょうどパーヴィスストリートでアポイントを終えた日、興味本位で行列に並んでみた。炎天下で待っている間、スタッフたちがのどかに店の準備をしているのが何となく恨めしい(全く行列客の自業自得である)。開店5分位前からスタッフがきびきびと行列客のリストを作り始めた。最前列から名前と人数を聞いていく。手際の良さに、先ほどの恨めしさもどこかに消えていった。

最前列から数人目だった私たちも、開店と同時に難なく店に入ることができた。(正午ちょうどに来れば行列の労せず、行列分で店内を埋められなかった数席の余りにありつくことも可能だが、保証はない。)

うなぎの寝床のような長細い店内。プラスティックのテーブルと椅子は、ホーカーの名残を思わせる。壁には洒落た写真や黒板が飾られている。

まず最初に目に入った黒板に、私の大好きな聖書の一節が書いてあった。


コリント人への第一の手紙第13章に出てくる、「愛は寛容であり、愛は親切です・・・」という、結婚式でもよくつかわれる一節だ。店内の最も目立つところに掲げているということは、これが店のポリシーかな、と思った。愛情あふれるホスピタリティに期待が高まる。


お昼のメニューはこんな感じ。パン&バターが$2、エンジェルヘアーパスタが$3.9、サラダが$3.9、スープが$4.9、フォアグラのソテーが$7.9からと、とにかく破格値だ。


スタッフは総じて無駄な動きなく、満席の店内でも注文に比較的早く応じていた。若者だけでなくちょっと年配の方もいるところがホーカー出身の温かさか。スタッフたちが両手に皿を持ち、注文のメモを取る暇も手もないまま復誦して、カウンターに伝えていく。

あまりおなかがすいていなかったこともあり、スターターやサラダを中心に注文することにした。

まずはサラダ。


ポーション的に大きくはないが、これで$3.9である。さっぱりしたレモンビネグレットと鴨肉の相性を楽しむ。


そして思わずおかわりした$2のパン。ふわふわした触感が昔の給食パン(を格段に美味しくした)のようだ。バターも本物で(笑、これは間違いなく安い。一緒に注文した本日のスープ(マッシュルームスープ)とともにいただく。


これが噂のエンジェルヘアーパスタ、$3.9。前菜としてのポーションだが、桜エビとポークのトッピングと一緒だと、結構食べ応えはある。日本の洋風居酒屋で出てきそうなメニューだ。

そして、いよいよ真打登場!


フォアグラのポートワインとバニラで味付けしたリンゴ添え、$9.9なり。

う、うまい!

が、小さい!

二口で食べられる小ささだ。フォアグラ料理の相場が良く分からないのだが、これで$9.9はリーズナブルってことでいいんですよね、と確認したくなった。

他のお客さんは、フォアグラやエンジェルヘアーパスタをスターターに、鴨のコンフィやテンダーロインステーキなどをがっつりと食べていた。ランチコースがない分、色々アラカルトで注文していくと、最終的にはランチタイムでも$30位かそれを超える額になる。それでも全体的なお得感はあるし、私のようにスターターだけで終わらせる手もある。

英語に「ノーフリルズ」という言い回しがある。フリルのついていない、つまり簡素化されたという意味で、ビジネスホテルや格安航空会社などを説明するときに使う。サヴールもそういった意味ではノーフリルズであり、フレンチの雰囲気を心行くまで楽しみたい方は、対面のギュンターズに行くべきだ。しかし、ここはここで、シンガポールならではの温かみがある。先ほどの聖書の一節、「愛は自慢せず、高ぶらない」がしっくりとくるような雰囲気なのだ。

とりあえずこの混みようだと、今のところは話のネタで来れば十分。ディナータイムにワインを傾けつつ、スタッフの方たちと歓談に興じられる位落ち着けば・・・と思うのだが、この一等地に存在する限り、回転率を考えなければならないところが悩ましいところだ。

ごちそうさまでした!

Saveur
05 Purvis Street
6333 3121

http://www.saveur.sg


さてお待ちかねのSaveurの正しい発音の仕方です。

2012年10月27日土曜日

家具屋とパティシェのお洒落なコラボ Carpenter and Cook

かつて東京に住んでいた時、良く行くお店があった。アンティーク雑貨に囲まれた一軒家のパイ・タルト専門店、代官山「ママタルト」だ。すぐ近くに住んでいたということもあり、まだ幼かった息子を連れて良く通った。ママさんには私がタルトを食べている間抱っこしてもらうこともあった。

この店の特長は、美味しいパイやタルトもさることながら、使い古された調度品に囲まれたアットホーム感。そんな店が最近シンガポールでも増えている。

私の行きつけで言えば、タンジョンパガーストリートの「Re:Store」。ここはカフェでありながら文字通りリストア(修復)されたアンティークの椅子やテーブルが売られている。他にも、家具の販売はしていないようだが、アンティークなソファーでまったりとくつろげるPigeon Holeや青山のカフェを参考にしたといわれるGroup Therapyなどがダクストンストリートにある。

ブキティマに最近オープンしたCarpenter and Cookもそんなアンティーク家具や雑貨に囲まれたパティスリー。アンティーク家具のコレクションが趣味のフィービーさんとコルドンブルーでお菓子作りを学んだシェンさん、お菓子作りとインテリアの両方が好きなユニースさんの3人の若い女性がオーナーだ。お菓子だけでなく、店内にデコレートされたアンティークの雑貨や家具も販売している。


休日若者たちでごった返す店内に入り、どうにかテーブルを確保して、最近の新作、ベリーのカヌレを息子のために注文した。甘いモノが苦手な息子が完食、ということは甘さ控えめの味だったのだろう。


注文はカウンターで。ディスプレイされたお菓子を品定め。


70年代頃のキッチュな家具が中心。こんな灯りが点る食卓もいい。


参考にしたい「見せる収納」。


キッシュやピッツア風パンなど、総菜パンも充実している。女性オーナーだけに、お酒のコレクションが可愛らしい。果実フレーバーの輸入ビールもあった。


店内はまるでアンティークなおもちゃ箱。「ちょっとパン屋までアンティーク買いに」なんて発想がお洒落だ。


何に使うかは買ってから考えるような余裕も人生になくては。


なるほど吊り下げ型ランプには、天井に網を着ければいいのね。


店内は女性客とカップル客でごった返し、男だけの客やグループは皆無だった。しかし男性にもこういったスポットはイザという時のためにおさえておいて欲しいものだ。


息子がカヌレを完食し、まだ食べたいというのでアップルパイを注文。日本人好みの繊細で上品な味。


ディスプレイされた時計であっても、正確に時を刻んでいるようだ。撮影時間は4時4分位だろうか。


たかがおたま、されどおたまである。ル・クルーゼの鍋料理に使いたいおたまである。


かなりアンティークなキャッシュレジスター。もちろん店頭で使われている物ではない。


店内が混んでいたこともあり、息子はスイーツ2品、私はビールとカプチーノで退散。混んでいない平日の昼下がりに仕事や本を携えて来たい店だ。


シックスアベニューより先のブキティマエリアが最近賑わってきているのは、地元住民としては嬉しい限り。3人の女性オーナーにもエールを送りたくなる。

ごちそうさまでした!

Carpenter and Cook
19 Lorong Kilat, #01-06
6463 3648
http://www.carpenterandcook.com


博多で約30年、唯一のバー屋台として君臨 屋台BAR えびちゃん

君臨・・・と書いてしまったが、店をやっているのは人情味あふれる御年70歳のマスター「えびちゃん」こと海老名昭夫さんと、スキンヘッドで強面(こわもて)だが、実は超優しくて面倒見の良い息子さん。

福岡の地下鉄中洲川端駅近くにある冷泉公園。ちょうどその角っこあたりに数件並ぶ屋台のひとつがこの屋台BARえびちゃんだ。マスターが故郷の鹿児島を離れて福岡に就職し、長年バーで勤務した後、40代にして屋台を立ち上げた。それも隣の屋台を切り盛りするおばさんが、「えびちゃんも出すなら私も出す」と屋台経営を持ちかけ、それで始めたらしい。(マスター談)

店構えは完全に屋台。しかし中に入るとこんな感じ。客がコの字型に12人も座ればかなりギュウギュウ詰めの雰囲気だ。


ちょうど夜10時を回った頃で、平日ながら屋台もほぼ満席状態。マスターの「詰めてー」の一言で詰めてくださったカップルの方と、これをきっかけに去ってくださった3人組のお陰で席を確保できた。

マスターがバイブルのような写真入れにまとめられたメニューを差し出す。最初に目に留まったのが、「シンガポールスリング」。かれこれ5年近く住んでいるシンガポールでは接待するたびにロングバーに行って、あまり美味しいとは言えないこのカクテルを飲み続けてきた訳だが、博多味のシンガポールスリングとはどんな味だろうと思い注文してみた。

「あまいのがいい? それともさっぱりしたの?」

「さっぱりしたので」

出されたシンガポールスリングは、確かにさっぱりした味。シロップなしで作ったそう。ブランデーに漬けこんだワイルドチェリーが添えられていた。

隣に座っているカップルは宮崎から遥々来たとのこと。女性の方は粋な着物姿で。とても美人。

マスターに次のお酒を聞かれると、「じゃあ、秋っぽいカクテルで。この柿を使って!」 とカウンターのバスケットに盛られた柿を指さされた。

「はい」とおっしゃったのは息子さん。創作カクテルはもっぱら彼が作るようだ。 バスケットではなく、冷蔵庫に入った形も崩れるほどに完熟した柿を取り出し、身をスプーンで丁寧にすくって、シェイカーへ。それに搾りたてのオレンジジュースを加え・・・ 

屋台なのでグラスがそっけない分、中身で勝負である。「うわっ、おいしい! 飲んでみます?」と着物のお姉さまから勧められ、一口飲んでみたら、確かに「うわっ」。甘い柿が酸味のあるオレンジジュースで中和され、さっぱりとした秋味のカクテルに。

お姉さまの連れの方と私は、この屋台でも有名なカクテル「オイシー」を。「オイシーのシーはビタミンCのシーよ」とマスターの言う通り、酸味の効いた味。甘夏など酸っぱい柑橘類に食べ慣れた九州人には嬉しい味かもしれない。

マスターに勧められて次に注文したのが、浅利スープ入りトマトジュースで作ったブラッディマリー。


独特のコクがあり、ガスパチョを飲んでいるような気分になる。若マスターお勧めのカクテルだ。

次にいただいたのが、このドイツのハーブ酒「ウンターベルグ」を使った、「これはマズい」という名前のカクテル。


以前ドイツに行った時に、レストランでサービスでついてきて飲んだことはあったのだが、西洋版養命酒のような感じだろうか。ドイツでは胃薬替わりに愛用されている小瓶のお酒だ。これをソーダ割りすると、こんな感じになる。


うーん、これはマズい!(笑

この屋台では、美味しいつまみも充実している。まずは人気のカマンベールチーズのマーマレード焼き。マスターが実際に作り方も教えてくれた。簡単なので家でやってみようと思ったのだが、この雰囲気で食べるから格別に美味いんだろうと思う。


次に、テールスープで煮込んだおでん。秋から冬にかけて食べられる季節のメニューだ。秋口からテールを煮込み始め、春先までスープを継ぎ足しながら色んな具材を煮込んでいく。竹輪のなかにトッポギが入ったおでんが美味しいそうだが、もう売り切れていたため、白菜と大根を注文した。透き通った琥珀色のスープがしっかりしみ込んで、箸でほぐれる柔らかさ。和風の具材を使ったポトフといった感じ。


店内にはこのように所狭しと色んな物が並んでいる。

 
午前2時半でオーダーストップ、3時に閉店。そして2時間で全てを片付ける(のは今では息子さんの仕事)。午前5時までに屋台を撤収するのが決まりだからだ。お酒や食材は次の営業まで全部家に持ち帰り、屋台は「リアカーの付いた箱」に戻る。契約する曳き屋さんが回収し、その箱は駐車場で夜の帳が降りるのを静かに待つ。

「屋台は原則一代限り、他者への権利譲渡禁止」といった福岡市の営業ルールが規定されたのが2000年。そして市はまさに今月(2012年10月)、「屋台条例」を制定し営業ルールを厳格化する方向を明らかにしている。

ルールを守らないならず者の屋台経営者もいるだろうが、このように福岡・博多の顔として長年頑張っている屋台の灯りは消してはいけないと心から思う。行政だって理解しているはずだ。


このように、マスターはおのぼりさんの写真撮影にも気さくに応じてくれる。というか、ものすごく慣れている(笑。お客さんにはすでにかなり出来上がった状態で来店する人も多いのだが、マスターのあしらい方も粋である。まだ社会人になりたて位の女の子がへべれけに酔っぱらって、周囲の制止も聞かず「まだ飲みたい」と叫び始めた。マスターは一言、「あなたのような可愛い人がお酒で可愛くなくなったらダメよ」と言い、女の子も納得して店を出て行った。

お店には、近郊在住の常連に混じり、近県だったり、東京だったり、私のように海外からだったり、と様々な場所からやってくる。美味しいお酒と、おつまみと、そしてそれをさらに美味しくする独特の雰囲気に惹かれてだろう。これからもずっとこの屋台の灯が続くことを願ってやまない。

「えびちゃん」そして、若マスター、これからもお元気でご活躍ください。
ごちそうさまでした。

博多屋台バー えびちゃん
博多区上川端(冷泉公園前)
090-3735-4939



パリの街角にいるような正統派ブラッセリ― Brasserie Gavroche

タンジョンパガー駅から徒歩3分、トラスストリートにパリの雰囲気溢れるブラッセリ―があると聞いた。出張帰りで疲れていたものの、息子が友人宅に泊まることになったので、早速電話で問い合わせてみた。「ほとんど満席ですがおひとりなら大丈夫です」というフレンドリーなフランス訛りの声に安心し、荷物を抱えつつ店に向かった。

ブラッセリー・ガヴローシュの「ガヴローシュ」は、レ・ミゼラブルに出てくる「プティ・ガヴローシュ」(小さい浮浪者)から取られているようだ。看板にはその名の通り小さな男の子のイラストがついている。店に入ると、3連休前の夜でごった返していた。背の高いハンサムなフランス人のウエイターに、「まずはバーで待ってください」とバーに促された。


空港で買っていた本を読みながら、まずはお店の雰囲気に身を委ねてみる。薄暗い店内に陽気なシャンソンがかかり、ウエイターたちがきびきびと動いている。

待っている間もウエイターがちょこちょこと様子を見に来てくれた。
「居心地が良いみたいでなかなか席を立ってくれないのです。 お好きなワインでもいかがですか。僕のおごりです」 といって、ワインリストを渡してくれた。


額縁に入ったメニューやワインリストにもガヴローシュの絵が。ありがたくブルゴーニュ産の赤ワインを頂いた。特に急ぐ訳でもなかったので本を読みながら30分ほど待ち、席に通された。


ブラッセリ―の厨房を仕切るのは、パリジャンのコリン・フレデリック。パリの三ツ星をはじめ、ニューヨークやマイアミを含む各地でキャリアを積み、仏領ポリネシアのセントレジスホテルに8年務めた後、シンガポールに渡った。彼の料理のインスピレーションでもある祖父のアンリが50年代から60年代に考案したレシピを中心に、正統派のブラッセリ―料理を提供している。

お店に入って気づいたのが、料理のボリュームの大きさ。隣のグループが注文したステーキの大きさに驚いた。今夜は出張疲れでおなかにやさしいものをと思い、アンリおじいさんのメニューから、オニオンスープと、ポークのホットポット(お鍋)を選んだ。



オニオンスープの味は濃くなく、柔らかい。スープに溶け込んだ食材を味わう感じでいただけた。チーズもほどほどの量。



ポンデケージョのようなもちっとした一口パンが一緒についてきた。


このバゲットももちっとしている。「パリッ」よりは「もちっ」好みの私にはいい感じ。

 

ナプキンに巻かれた紙のリングにも、ガヴローシュのイラスト。


ガヴローシュのキャラクターがいたるところに・・・。かわいいのでたくさん写真を撮ってしまう。


さて、ホットポットの登場。本当に大きな鍋に入ってやってきた。


スープ皿に入れるとこんな感じ。骨付きの豚肉がほろっと取れる柔らかさ。じゃがいもはコクがあって甘い。味付けは控えめだが素材の味がしっかり出ている。最後におじやにして食べたい・・・と思うのは、日本人だけかな。(笑


デザートにはチョコレートフランを。これもボリュームたっぷり。甘ったるくなく、チョコレートのほろ苦さもあって、大人の味。とろーっと柔らかい食感。チュイールのようなお菓子(これも大きい!)が添えられていた。写真右側の茶色い棒のようなものがそれ。


ウエイターが、型に入ったままの焼きたてのマドレーヌを持ってきた。トングで取って、「いかがですか?」 もちろん食べましょう!(笑 薄くて小さい分サックリした感じで、デザートの後のさらなるデザートとしてはちょうどいいボリューム。みんながほぼデザートに突入すると、ウエイターがこの型とトングを持って、クルクルとテーブルを回遊しながらマドレーヌを勧めていく。何だかアットホームな雰囲気だ。


さてそろそろ帰りますか・・・。


ごちそうさまでした!

Brasserie Gavroche
Address: 66 Tras St, Singapore 079005
Wesbite: www.brasseriegavroche.com
Email: resv@brasseriegavroche.com