ニューヨークのロウワー・マンハッタンに「トライベッカ」という場所がある。「トライアングル・ビロウ・キャナル・ストリート(キャナル・ストリート南の三角地帯)」の略語だ。80年代、テナントを失った商業ビルにアーティスト達が住み始めたのをきっかけに、トレンド発信地として生まれ変わった。今ではレオナルド・ディカプリオやビヨンセらセレブ達が住むプライムエリアとして知られる。
今回の舞台はニューヨークではなくシンガポールの三角地帯。シンガポールリバーの下、チャイナタウン駅、クラークキー駅、ラッフルズプレイス駅を三角形で結んだエリアは、いわば「トライアングル・ビロウ・シンガポールリバー」。伝統、ビジネス、ナイトライフという新旧の魅力が交差し、すぐ外れには、洒落たバーやレストランが立ち並ぶボートキーやクラブストリート、アンシャンヒルもある。
しかし実際は雑多な商業ビルが立ち並び、脈絡なく個性に欠けるエリアに留まっている。ランドマークと言えば、先日政府が発表した人口白書に対する抗議集会が開かれたホンリムパークくらいだろうか。
この1月、ホンリムパークの道向かい、つまりトライアングルのほぼ真ん中に、パークロイヤル・オン・ピカリングがオープンした。世界に30以上のホテルを運営するパン・パシフィク・ホテルズ・グループが3.5億シンガポールドルをかけた新しいホテルだ。
数年前から工事が続いていたこの場所、去年くらいからユニークなフォルムが目につくようになった。全貌が明らかになったときは、段ボール箱で作ったオブジェのお化けかと思った。もとは何があったっけ?と思いシンガポーリアンの友人に聞いてみたら、「確かホーカーセンターじゃなかったかな」。かつての影も形もないので、ここが一体何だったか全く見当がつかない。
都市開発庁(URA)の資料を調べたところ、2007年の入札時のこの場所の使用条件が事細かに提示されていた。そのひとつが緑化。緑豊かなホンリムパークとの協調性を保つことも条件とされていた。上の写真はホンリムパークに面した当ホテルのファサード。
敷地面積の2倍の壁面緑化、延べ15,000㎡のスカイガーデン、館内の各所に緑を植える設計により、ここは国内最大の緑化率を誇るビルになった。それに加え、センサー式照明、雨水の再利用、ニューウォーターの導入、ソーラーパネルの設置といった環境への配慮が評価され、政府からグリーンマーク・プラチナムの認証書とソーラー・パイオニア賞が授与された。
5階にあるスカイガーデンはソファーが点在するくつろぎの空間。鳥かごのような展望スペースが印象的だ。
スカイガーデンの上にもガーデンがある。未来的でありながら、アジアでよく見かける段々畑をイメージさせるのが面白い。
館内にはまだ旧正月の雰囲気が漂っていた。
天井にもユニークなオブジェが。何層も重なったランダムな曲線のうねりがこのビルのデザインの共通テーマのようだ。
ディナー: 大人 $58++ 子供 $29++
今回の舞台はニューヨークではなくシンガポールの三角地帯。シンガポールリバーの下、チャイナタウン駅、クラークキー駅、ラッフルズプレイス駅を三角形で結んだエリアは、いわば「トライアングル・ビロウ・シンガポールリバー」。伝統、ビジネス、ナイトライフという新旧の魅力が交差し、すぐ外れには、洒落たバーやレストランが立ち並ぶボートキーやクラブストリート、アンシャンヒルもある。
(C) 2013 Streetdirectory.com
しかし実際は雑多な商業ビルが立ち並び、脈絡なく個性に欠けるエリアに留まっている。ランドマークと言えば、先日政府が発表した人口白書に対する抗議集会が開かれたホンリムパークくらいだろうか。
・・・というのは、つい最近までの話。
この1月、ホンリムパークの道向かい、つまりトライアングルのほぼ真ん中に、パークロイヤル・オン・ピカリングがオープンした。世界に30以上のホテルを運営するパン・パシフィク・ホテルズ・グループが3.5億シンガポールドルをかけた新しいホテルだ。
数年前から工事が続いていたこの場所、去年くらいからユニークなフォルムが目につくようになった。全貌が明らかになったときは、段ボール箱で作ったオブジェのお化けかと思った。もとは何があったっけ?と思いシンガポーリアンの友人に聞いてみたら、「確かホーカーセンターじゃなかったかな」。かつての影も形もないので、ここが一体何だったか全く見当がつかない。
ホテルのデザインを手がけたのは、シンガポーリアンとオーストラリアンのデザイナーデュオ、「WOHA」。外壁にメッシュを取り入れたブギスプラスやクラウンプラザホテル、ドービーゴートの壁面緑化が印象的なスクール・オブ・アーツなどを手がけている。
都市開発庁(URA)の資料を調べたところ、2007年の入札時のこの場所の使用条件が事細かに提示されていた。そのひとつが緑化。緑豊かなホンリムパークとの協調性を保つことも条件とされていた。上の写真はホンリムパークに面した当ホテルのファサード。
敷地面積の2倍の壁面緑化、延べ15,000㎡のスカイガーデン、館内の各所に緑を植える設計により、ここは国内最大の緑化率を誇るビルになった。それに加え、センサー式照明、雨水の再利用、ニューウォーターの導入、ソーラーパネルの設置といった環境への配慮が評価され、政府からグリーンマーク・プラチナムの認証書とソーラー・パイオニア賞が授与された。
5階にあるスカイガーデンはソファーが点在するくつろぎの空間。鳥かごのような展望スペースが印象的だ。
スカイガーデンの上にもガーデンがある。未来的でありながら、アジアでよく見かける段々畑をイメージさせるのが面白い。
天井にもユニークなオブジェが。何層も重なったランダムな曲線のうねりがこのビルのデザインの共通テーマのようだ。
螺旋階段にはまるで籐かごの網の目のようなメッシュが施されている。WOHAが手がけたビルには、クラウンプラザホテルのように、光が生み出す陰影を組み込んだデザインが多い気がする。
このホテルの1階にあるLime(ライム)が当ホテル唯一のダイニングエリアだ。オープンコンセプトに基づき、ウエスタン、ジャパニーズ、アジアンの3つのオープンキッチン、カフェ&デザートエリア、バーエリアが見渡せるようになっている。
朝は6時から、平日は深夜まで、週末は午前2時まで開いている。朝食ビュッフェ、ランチビュッフェ、ディナービュッフェのほか、コンチネンタルスタイルのアラカルトもある。ちょうどランチビュッフェの終わりあたりにここを訪れた。
デザートバーには様々なスイーツが。
ウエスタンスタイルのものもあれば・・・
ご当地スイーツもたっぷりと。
手作りマシュマロがおいしそ~っ!
ここでは紹介できなかったが、和・洋・中・ローカルと料理も豊富。これで$58のランチビュッフェは、ちょっとしたお祝い事に使えそうだ。
天井まである大きなガラス窓から自然光が差し込む。窓からホンリムパークが見える。
こちらはバーエリア。私の今回の目的はここ(笑。
オリジナルカクテルをいただきにきた。
今回オーダーしたのは、「セント・オブ・ピカリング」(ピカリングの香り)というカクテル。
世界最古のリキュールメーカーとして知られるボルス社のジェネバ(ジン)、バニラフレーバーのウォッカ、オレンジとマンダリンのビターを、ゼンデトックスという緑茶ベースのハーブティとミックスした。
残念だったのは、全てのフレーバーが主張しすぎていたこと。いただいた後、レシピを作られた若いバーテンダーの方と話をした。色んなリキュールや材料をご存じで、探究心旺盛な方とみたが、ちょっと欲張りな方に作用しちゃったかな、と思い、少し引き算してみたら・・・と生意気にもコメントしてしまった。その代わりと言ってはなんだが、来週また飲みに来る約束をした。
場所柄、ディナーが決まっていない夜の友人との待ち合わせ場所として重宝しそうな気がする。ディナーの場所をあれこれ相談しながら、美味しい食前酒を一杯飲むことができれば最高だ(しかしカクテル$20の値段設定はちょっと高いかな)。
ついでにビュッフェの値段は以下の通り。
朝食: 大人 $35++ 子供 $17.50++
ランチ: 大人 $45++ 子供 $22.50++ディナー: 大人 $58++ 子供 $29++
今後は当ホテルを皮切りに、このトライアングルエリアも変貌していくのだろう。商業ビルが取り壊されて何か別物に代わる、というドラスティックな変化になりそうだが、その度にURAがきっちりと開発条件を付けてくるはずだ。緑いっぱいの理想的なアーバンエリアとなるだろうか。
ごちそうさまでした!(今回はカクテルだけですが・・・)
Lime
Parkroyal on Pickering
3 Upper Pickering Street
TEL: 6809-8888
http://www.parkroyalhotels.com/en/hotels/singapore/pickering_street/parkroyal/index.html
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