2010年ごろからランニングを始めてもう3年になる。
きっかけは極度の不眠症と精神の不調を克服するため、また当時子育てと仕事に学業が加わり、早寝早起きの規則正しい生活づくりが不可欠となったためで、「必要に迫られて始めた」というのが実際の理由だ。その時点でランニングへの興味も憧れもゼロ。
なぜランニングなのか。それは「いつでもどこでもできる」の一点に尽きる。子供が寝ている早朝を見計らって走ったり、旅先や実家で日頃と同じように走ったりと、一人でできる最も手軽なスポーツだからだ。そして最もお金のかからないスポーツでもある。
3年目に入った今、不眠症も精神の不調も克服し、学業も無事修了したが、まだ走り続けている。
走り続ける理由はいくつかある。
まずは体調が良くなったこと。ランニングを習慣づけたことで、眠りが深くなり、精神的に思いつめる暇もなくなった(当時はたとえ午前2時でも眠れなかったら走る、さもなくば寝る、という規則を作っていた)。相変わらず小太りだが(笑)、それなりに体型を保てている・・・気はする。
2つ目はランニングのメディテーション効果。走っている間、昨日のことについて考える。ああすればよかったと反省することが多いのだが、走っているとくよくよする余裕がない。ま、いいか、と楽天的になり、今日はこうしよう、と頭を切り替える。思わぬ閃きがあることもある。逆に全く考えず音楽に没頭することもある。こういう体験は普段の生活ではなかなか味わえない。
3つ目はランニングの奥深さ。私は完全に自己流だが、走れば走るほど結果がついてくる気がする。私の大会デビューは2010年のシカゴ5Kで、その時は苦しすぎて沿道のジャズバンドの演奏を恨めしく思ったほどだった。
それから、10K、ハーフ、去年5月のフルマラソン初完走と徐々に距離を長くしていった。今では走りに戦略を取り入れる余裕も少しだけだが出てきた。ハーフ初参加時に出会った日本人シニア同好会(最年長は80歳代)の方々から頂いた、「早く走る必要はないんだよ」という言葉が私の究極の励みになっている。
そして最後に、「その街や地方の鼓動を体で感じられること」。これまでどんな旅行にもウェアとシューズを入れ、様々な場所を走ってきた。小雪の降るマンハッタン、清掃車が伴走してくれたパリ、飲食店の調査も兼ねた福岡・中洲(笑)など、走るだけでその街を自分の手中に収めたような気になる。
いつも走るブキティマでも、花がきれいだな、とか、雨が降りそうかな、とか、その日その日に感じることが違う。お猿さんに遭遇することも(笑
そしてちょっと視点が逸れるが、ランニングが日課になると、自然災害などで交通機関が全面ストップしてもあまり動じなくなる。例えば、会社から自宅に帰るのに10Kの道のりだとしても、「走れば1時間弱、歩いても2時間位で着く」と思える。これと同じことはアシックスのランニング教本にも書いてあった。
完全に自己流で、10Kはまだ50分台、フルマラソンで5時間を切ったことがないのんびりランナーの私だが、スタンダートチャータードマラソン直前でもありランニングに対する自分なりのポイントをまとめたいと思う。
① フォームは気持ち前傾気味に、骨盤から足を出す感じで
ただ走るだけでなく、体の仕組みをうまく使いテコの作用のようなイメージで、最小限の力で足を動かすことを心掛ける。まっすぐ立ち、背後に手を組んで踵を上げ、ちょっと前に体を倒すと、自然と足が前に出る。それを何回か繰り返すとイメージがわく。また走る時は、長袴を履いた歌舞伎役者になったつもりで(笑)、腰(骨盤)から足を出す。このイメージを心掛けるだけで、随分楽に走れるような気がする。私も走っている時たまに背後で手を組んで、前傾フォームを思い出すようにしている。
② 大会距離の半分の距離を走ってみる
フル初挑戦でも事前に42K走る必要はないと思う。ただしハーフの距離は事前に走ってみることをおすすめする(ハーフなら10K、10Kなら5K)。仕事でも何でもそうだが、人は半分過ぎると気が楽になる。ハーフの距離を走ったことがあれば、その経験でハーフは乗り切れる。その後は未知の世界であっても、「今からはさっき走った距離がどんどん短くなっていく」と考えればかなり気が楽だ。それと走る時にあまり遠くを見ないこと。「こんなに長いのか」と気が萎えてしまうからだ。
③ ストレッチ
スタート直前のストレッチは絶対に欠かせない。特にふくらはぎを十分に伸ばしておかないと、こむら返りやケガの原因になる。ふくらはぎを伸ばして10秒そのまま、といった形でゆっくりと十分に伸ばす。ストレッチがよく分からない場合には、うろ覚えでもいいから「ラジオ体操第1」を丁寧にやってみるといいんじゃないかと思う。
④ トイレと給水
私は割と気が小さく、スタート直前になると確認のために何度もトイレに足を運ぶ。 スタート直後にもトイレに行きたくなることが割と頻繁に起きる。これは大きな時間のロスだし、もっとも距離を稼ぎたい局面でコンディションを大きく乱されてしまう。このため、スタートの数時間前に軽く走ったりして、事前にトイレを促すようにしている。スタート後、最初の5Kはできる限り水を摂らずコンディションを整えることに集中し、その後は給水所を1個飛ばしで、水ではなくスポーツドリンクをコップに半分飲む。水だとがぶ飲みしてわき腹が痛くなったり、胃の調子を崩したりするからだ。30Kを過ぎゴールが見えてくれば自分を甘やかし何時でも何でも飲めるようにしている。
⑤ ウェア、シューズと小物
当日着るウェアは、事前に何度か着て走り、肌が擦れないか、気持ち良く走れるかの確認が必須。日中の大会で日焼け跡が気になる場合には水着のようなウェアをおすすめする。シューズも必ず何度か長距離を走ったものを使う。ウエストバッグには、ティッシュ、絆創膏と軟膏を。私は音楽を聴くためiPhoneも入れる。苦しくなったらジェイソン・デルーロなどのノリの良い曲を聴きつつ、一緒に歌いながら走っている。
⑥ 歩くこと、棄権することの勇気
スタンダードチャータードのハーフを初めて走った時、フィニッシャーズシャツを着ているランナーが歩いている場面に遭遇し、驚いたことがある。なぜ完走経験者が歩いているの?と。確かに一旦歩き始めると戦線離脱者のような気分になるが、途中にウォークを取り入れ、終盤へのコンディションを整えることもアリだと後で分かるようになった。また必要であれば棄権を恐れてはいけないとも思う。基本的には誰のためでもなく、自分のためのスポーツなのだから。(ただし、2時間台で完走する人も5時間台で完走する人も、その人のレベルにおいてみんな同様の苦しみを味わっているので、フィジカルに問題がなければギリギリまで頑張ってほしい)
⑦ スタンダードチャータードマラソンならではのポイント
スタンダードチャータードは、日中の暑さとアスファルトの照り返しで割と過酷なマラソン。帽子の着用、日焼け止め、水の補給はもちろんのこと(一気飲みに注意)、時々水を被るなどして暑さにバテないようにする心がけが必要だ。また、ランナーが多く最初の数キロはイモ洗いのような状態で、マナーの悪い(例えば平気で横並びで話しながらだらだら走っている)ランナーも多く、こういう集団の背後でいたずらに時間を費やすこともある。大声で「エクスキューズミー」と言いながら追い抜く、音楽に集中するなどで対処し、あまりイライラしないことも大切だ。初心者ランナーも多いから、気兼ねなく、歩いたり休憩しながら走ることが出来るというメリットもある。
今年は息子がキッズダッシュに参加する予定で、初めて二人での大会参加になる。ランニングは年齢に関係なく楽しめるスポーツ。これからも楽しく自分のペースで走りたいと思う。
世界にはこんな仮装マラソンも! この年のお題は「動物」。
きっかけは極度の不眠症と精神の不調を克服するため、また当時子育てと仕事に学業が加わり、早寝早起きの規則正しい生活づくりが不可欠となったためで、「必要に迫られて始めた」というのが実際の理由だ。その時点でランニングへの興味も憧れもゼロ。
なぜランニングなのか。それは「いつでもどこでもできる」の一点に尽きる。子供が寝ている早朝を見計らって走ったり、旅先や実家で日頃と同じように走ったりと、一人でできる最も手軽なスポーツだからだ。そして最もお金のかからないスポーツでもある。
3年目に入った今、不眠症も精神の不調も克服し、学業も無事修了したが、まだ走り続けている。
走り続ける理由はいくつかある。
まずは体調が良くなったこと。ランニングを習慣づけたことで、眠りが深くなり、精神的に思いつめる暇もなくなった(当時はたとえ午前2時でも眠れなかったら走る、さもなくば寝る、という規則を作っていた)。相変わらず小太りだが(笑)、それなりに体型を保てている・・・気はする。
2つ目はランニングのメディテーション効果。走っている間、昨日のことについて考える。ああすればよかったと反省することが多いのだが、走っているとくよくよする余裕がない。ま、いいか、と楽天的になり、今日はこうしよう、と頭を切り替える。思わぬ閃きがあることもある。逆に全く考えず音楽に没頭することもある。こういう体験は普段の生活ではなかなか味わえない。
3つ目はランニングの奥深さ。私は完全に自己流だが、走れば走るほど結果がついてくる気がする。私の大会デビューは2010年のシカゴ5Kで、その時は苦しすぎて沿道のジャズバンドの演奏を恨めしく思ったほどだった。
それから、10K、ハーフ、去年5月のフルマラソン初完走と徐々に距離を長くしていった。今では走りに戦略を取り入れる余裕も少しだけだが出てきた。ハーフ初参加時に出会った日本人シニア同好会(最年長は80歳代)の方々から頂いた、「早く走る必要はないんだよ」という言葉が私の究極の励みになっている。
そして最後に、「その街や地方の鼓動を体で感じられること」。これまでどんな旅行にもウェアとシューズを入れ、様々な場所を走ってきた。小雪の降るマンハッタン、清掃車が伴走してくれたパリ、飲食店の調査も兼ねた福岡・中洲(笑)など、走るだけでその街を自分の手中に収めたような気になる。
いつも走るブキティマでも、花がきれいだな、とか、雨が降りそうかな、とか、その日その日に感じることが違う。お猿さんに遭遇することも(笑
そしてちょっと視点が逸れるが、ランニングが日課になると、自然災害などで交通機関が全面ストップしてもあまり動じなくなる。例えば、会社から自宅に帰るのに10Kの道のりだとしても、「走れば1時間弱、歩いても2時間位で着く」と思える。これと同じことはアシックスのランニング教本にも書いてあった。
完全に自己流で、10Kはまだ50分台、フルマラソンで5時間を切ったことがないのんびりランナーの私だが、スタンダートチャータードマラソン直前でもありランニングに対する自分なりのポイントをまとめたいと思う。
① フォームは気持ち前傾気味に、骨盤から足を出す感じで
ただ走るだけでなく、体の仕組みをうまく使いテコの作用のようなイメージで、最小限の力で足を動かすことを心掛ける。まっすぐ立ち、背後に手を組んで踵を上げ、ちょっと前に体を倒すと、自然と足が前に出る。それを何回か繰り返すとイメージがわく。また走る時は、長袴を履いた歌舞伎役者になったつもりで(笑)、腰(骨盤)から足を出す。このイメージを心掛けるだけで、随分楽に走れるような気がする。私も走っている時たまに背後で手を組んで、前傾フォームを思い出すようにしている。
② 大会距離の半分の距離を走ってみる
フル初挑戦でも事前に42K走る必要はないと思う。ただしハーフの距離は事前に走ってみることをおすすめする(ハーフなら10K、10Kなら5K)。仕事でも何でもそうだが、人は半分過ぎると気が楽になる。ハーフの距離を走ったことがあれば、その経験でハーフは乗り切れる。その後は未知の世界であっても、「今からはさっき走った距離がどんどん短くなっていく」と考えればかなり気が楽だ。それと走る時にあまり遠くを見ないこと。「こんなに長いのか」と気が萎えてしまうからだ。
③ ストレッチ
スタート直前のストレッチは絶対に欠かせない。特にふくらはぎを十分に伸ばしておかないと、こむら返りやケガの原因になる。ふくらはぎを伸ばして10秒そのまま、といった形でゆっくりと十分に伸ばす。ストレッチがよく分からない場合には、うろ覚えでもいいから「ラジオ体操第1」を丁寧にやってみるといいんじゃないかと思う。
④ トイレと給水
私は割と気が小さく、スタート直前になると確認のために何度もトイレに足を運ぶ。 スタート直後にもトイレに行きたくなることが割と頻繁に起きる。これは大きな時間のロスだし、もっとも距離を稼ぎたい局面でコンディションを大きく乱されてしまう。このため、スタートの数時間前に軽く走ったりして、事前にトイレを促すようにしている。スタート後、最初の5Kはできる限り水を摂らずコンディションを整えることに集中し、その後は給水所を1個飛ばしで、水ではなくスポーツドリンクをコップに半分飲む。水だとがぶ飲みしてわき腹が痛くなったり、胃の調子を崩したりするからだ。30Kを過ぎゴールが見えてくれば自分を甘やかし何時でも何でも飲めるようにしている。
⑤ ウェア、シューズと小物
当日着るウェアは、事前に何度か着て走り、肌が擦れないか、気持ち良く走れるかの確認が必須。日中の大会で日焼け跡が気になる場合には水着のようなウェアをおすすめする。シューズも必ず何度か長距離を走ったものを使う。ウエストバッグには、ティッシュ、絆創膏と軟膏を。私は音楽を聴くためiPhoneも入れる。苦しくなったらジェイソン・デルーロなどのノリの良い曲を聴きつつ、一緒に歌いながら走っている。
⑥ 歩くこと、棄権することの勇気
スタンダードチャータードのハーフを初めて走った時、フィニッシャーズシャツを着ているランナーが歩いている場面に遭遇し、驚いたことがある。なぜ完走経験者が歩いているの?と。確かに一旦歩き始めると戦線離脱者のような気分になるが、途中にウォークを取り入れ、終盤へのコンディションを整えることもアリだと後で分かるようになった。また必要であれば棄権を恐れてはいけないとも思う。基本的には誰のためでもなく、自分のためのスポーツなのだから。(ただし、2時間台で完走する人も5時間台で完走する人も、その人のレベルにおいてみんな同様の苦しみを味わっているので、フィジカルに問題がなければギリギリまで頑張ってほしい)
⑦ スタンダードチャータードマラソンならではのポイント
スタンダードチャータードは、日中の暑さとアスファルトの照り返しで割と過酷なマラソン。帽子の着用、日焼け止め、水の補給はもちろんのこと(一気飲みに注意)、時々水を被るなどして暑さにバテないようにする心がけが必要だ。また、ランナーが多く最初の数キロはイモ洗いのような状態で、マナーの悪い(例えば平気で横並びで話しながらだらだら走っている)ランナーも多く、こういう集団の背後でいたずらに時間を費やすこともある。大声で「エクスキューズミー」と言いながら追い抜く、音楽に集中するなどで対処し、あまりイライラしないことも大切だ。初心者ランナーも多いから、気兼ねなく、歩いたり休憩しながら走ることが出来るというメリットもある。
今年は息子がキッズダッシュに参加する予定で、初めて二人での大会参加になる。ランニングは年齢に関係なく楽しめるスポーツ。これからも楽しく自分のペースで走りたいと思う。
世界にはこんな仮装マラソンも! この年のお題は「動物」。
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