2013年1月31日木曜日

100種類以上の焼酎と居酒屋料理で和みの夜宴 Satsuma Shochu Dining Bar

モハメドサルタンのギャラリーホテル界隈は日本人率が高い。
日系ヘアサロンのMONSO、沖縄料理のミミガー、札幌ラーメンの美春、そして日本人のマジシャンバーテンダーがいるBar84などがひしめいている。

焼酎を片手に純和風の居酒屋料理が楽しめるさつまもそのひとつ。その客のなかに私が友人夫婦とたまに紛れている。




今回はちょうどクリスマスイブに行ったこともあり、今となっては季節外れの飾りつけが。




当店は2階建てで、1階はこのような普通のテーブル席、2階には座敷席がある。私は外で食べるのが好きなのだが、クリスマスイブにも関わらず蒸し暑い夜だったため(笑)、1階のテーブル席を確保した。




当店には100種類以上の焼酎が揃えられている。グラスでも飲めるしボトルをキープすることもできる。




友人夫婦がキープしていた焼酎のおすそわけをいただくことになった。

手前にあるのが、創業明治元年、鹿児島の本格焼酎メーカー濱田酒造の「海童(かいどう)」。鹿児島産のさつま芋に昔ながらの手法で国産黒麹を加え、割り水に鹿児島甑島(こしきじま)の海洋深層水を使っている。味は軽く爽やかで、女性にぴったりの飲みやすい味だ。この海童という名前、商品開発後に一般公募のなかから選ばれた。地元・串木野の海で元気に遊ぶ真っ黒に日焼けした子供たちの姿がイメージできる素敵な名前である。

後ろにあるのが「尽空(じんくう)」。 福岡県八女市にある喜多屋の芋焼酎だ。鹿児島産の芋に福岡糸島産の山田錦と黒麹を加え、甕仕込みで作られる。芋ならではの甘みとフルーティさがあり、オンザロックですっきりといただける。このブランドはJALの国際線エグゼクティブクラスでも提供されている。喜多屋の焼酎は他に吾空、是空、皆空・・・と最後に「空(くう)」がつく。当社は日本酒でも知られており、国内外で積極展開している元気溢れる酒蔵だ。




私の飲み方は通常オンザロック。香りを楽しみたい時はお湯割り。比率は6(焼酎):4(お湯)と言われるが、焼酎の味や強さによってお好みで。但し必ずお湯を先に入れる。器を温める効果があるのと、熱いお湯のなかに焼酎を入れることで温度差による対流が生じ、混ぜなくても均等に焼酎が薄まるという効果があるからだ。 今回はクーラーの効いた室内なので、お湯割りでいただくことにした。




まずは定番の野菜スティックを。私の田舎では安い焼酎にきゅうりのスライスを入れて、オンザロックで飲むことがある。なぜかメロンっぽい味がして美味しいのだが、焼酎にきゅうりは相性がいい。




野菜をこの味噌だれにつけてポリポリ食べながら、最初の一杯をいただく。さてその間に料理の注文。まずはおつまみ系を。あたりめにマヨネーズ。まさに王道だ。




このタコわさが美味しい。ワサビが効いていて、2回ほど泣いた。




次に当店自慢の焼き物をいくつか注文する。




一口食べたさつまファンの米国人の友人が、「ん? 炭が変わった? 焼き台変えた? 味が違う!」と店員に突っ込みを入れていた。




確かに何かが変わったらしく、店員も相槌を打ちながら友人に説明をしていた。それがより美味しくなったのか、ほにゃららなのかは不明だが、私は普通に美味しく感じた。




周囲の南国らしさを無視すれば、新橋界隈の居酒屋で一杯ひっかけているような気分になる。




こんにゃくにオクラ。これが美味い。自宅でも真似できるメニューだ。




焼きうどん・・・だったかな。やはりシメには炭水化物である。


結局3人で焼酎のボトルを空け、(ここでの)宴は終了。クリスマスイブだというのに友人夫婦から誘われるままに近くのダーツバーへ(ここでメリークリスマス)、そしてプールバーへとよれよれの足を運んだ。友人夫婦には、息子が冬休みの一時帰国中、気を使って色々な所に連れて行ってくれた。この夜はまさにメインイベントといった感じだった。

そういえばこの夫婦と初めて飲みに行ったのもさつま。その時同席していた息子がふざけて焼酎をこぼしたハプニングがあった。彼らは本当にさつま好きだ。

次回の彼らとの「さつまナイト」では、感謝の気持ちを込めて私がボトルを入れたいと思う。


ごちそうさまでした!


Satsuma Shochu Dining Bar
1 Nanson Road, #01-10/#02-10 The Gallery Hotel
TEL: 6235 3565
http://www.satsuma.com.sg/


2013年1月30日水曜日

【レシピ付!】セレブパティシェ ジャニス・ウォンの独創柚子料理 2am:lab

シンガポールの若きセレブパティシェ、ジャニス・ウォンさんと、柚子生産高日本一の高知県がコラボレーションし、料理スタジオ2am:labで柚子三昧のテイスティングセッションが行われた。




柚子(本柚子)はそもそも中国原産と言われているが、日本では飛鳥・奈良時代には既に栽培されていたとの文献があるほど、日本の食文化のなかでも歴史の古い食材である。




でこぼこした表面が特長の柚子は、その強い香りと酸味から様々な調味料に使われてきた。私の田舎である九州北部には「柚子胡椒」という調味料があり、味噌汁を始めあらゆる料理の薬味として使われている。日本は柚子の生産高・消費量ともに世界一で、なかでも山間の気候が栽培に適した高知は、国内シェアの4割を占める屈指の柚子産地である。

最近では海外でも柚子の認知が広がっている。「世界で最も予約が取れないレストラン」として知られたエル・ブジで盛んに使われるようになって以来、フランス料理を中心に「YUZU」をメニューに取り入れるレストランが増えてきた。今回のイベントはシンガポールのシェフの方々への啓蒙という目的もある。その料理のメニューを考案するにあたり、ジャニスは高知に数週間滞在し現地で様々な調理法のリサーチを行ったという。

ここで少しジャニスの紹介をしよう。




小柄で顔立ちにあどけなさも残るジャニスは、20代の若さにしてホーランドビレッジの人気デザートバー、2am:dessertbarと、プロフェッショナル向け料理スタジオ、2am:labのオーナーシェフだ。シンガポール国立大学で経済学を専攻後、金融業界で働く両親と同じ道を辿らず、フランスの名門ル・コルドンブルーでお菓子作りを学んだ。その後メルボルン、ニューヨーク、シカゴ・・・と名門レストランで武者修行をし、シンガポールに帰国後Les Amisに勤めた。そこでジャスティン・クエックなどの地元のセレブシェフから薫陶を受け、2007に独立。午前2時までお酒とデザートを楽しめる新しいコンセプトの2am:dessertbarをオープンし、2011年にはlab(研究室)と称した料理スタジオをオープンさせた。

彼女の独創的な料理スタイルは高い評価を受け、2011年度のワールドグルメサミットでは女性でただ唯一「シェフ・オブ・ザ・イヤー」の一人に選ばれた。日本でもデザート対決の料理番組で勝利するなど、その活躍はシンガポール以外にも広がっている。今回ジャニスはどんな独創的な料理で私たちをアッと言わせてくれるのだろう。


テイスティングイベントはウェルカムドリンクで幕を開けた。


Cucumber Gin Sparkling


きゅうりのみずみずしさと炭酸が爽やかなカクテル。きゅうり独特の青臭さを柚子が中和している。

その後はテイスティングポーションで様々な料理が供された。高知から帰国後パートナーシェフと数カ月のトライアルを経て考案された、全てに柚子が使われた料理である。


 Onsen Egg with Yuzu Mayonnaise


Mixed Salad With Myoga


Braised Myoga


Grilled Octopus with Yuzu Ketchup


Prawn Pasta


Glazed Chicken


Roasted Beef with Yuzu Hollandaise & Yuzu Shiso Condiment


Fermented Yuzu


上部写真の「発酵柚子ジュース」は実際は調味料として使う。酸っぱいが発酵によるまろ味がある。




これが柚子を発酵させているところ。ジャニスは料理に発酵調味料を積極的に使っており、最近も専門家を呼んでフェルメンテーションワークショップを開催している。


Bread(もちろん柚子入り!)




ししとうのなかに柚子のマーマレードを入れて、上からバーナーで焦げ目をつける。ししとうの辛味にマーマレードの甘酸っぱさが不思議と合う。


Stuffed Shihito


Pearls


Rubies (Water Chestnut)


Strawberry Juice with Yuzu Juice Ice Cubes


Short Cakes


White Chocolate Ganache


ここでジャニスが柚子ジュースにキタサンガムを混ぜ、薄く延ばし乾燥して作る「ペーパー」の実演をしてくれた。




乾燥するとこんな感じになる。これでチョコレートを包んだり、そのまま食べたりすることができる。薄いシートのなかに柚子ジュースの酸っぱさがそのまま閉じ込められている。


Paper


Sorbet


 Parfait


 Cheesecake




エンディングにはお楽しみの柚子風味コットンキャンディを。柚子が様々な料理に姿を変え、私たちの舌を最後まで楽しませてくれた。


今回料理に使われた調味料のなか簡単に作れるものをブログで紹介したいとジャニスに言ったところ快諾してくれた。どれもシンガポールの気候にぴったりの爽やかな調味料だ。


【柚子マヨネーズ】
材料: グレープシードオイル(80ml)、卵の黄身(20g)、柚子果汁(15ml)、シーソルト(1g)
作り方: 黄身と柚子果汁を混ぜる。ハンドミキサーで混ぜながらこのなかにゆっくりグレープシードオイルを入れ、マヨネーズの固さになるまで混ぜ続ける。最後にシーソルトを加える。

【ピクルス液】
材料: 柚子果汁(100ml)、酢(100ml)、水(100ml)、ローリエ(3枚)、シーソルト(2g)、砂糖(3g)
作り方: 材料全てを混ぜ、一煮立ちさせる。

【柚子バター】
材料: 柔らかくしたバター(500g)、柚子果汁(100ml)、シーソルト(5g)、砂糖(5g)
作り方: 柚子果汁を20ml程になるまで煮詰める。クリーム状になるまでバターを練る。バターに煮詰めた柚子果汁、シーソルト、砂糖を入れ、冷蔵庫で冷やす。


もちろん市販の柚子調味料も明治屋や伊勢丹など日系スーパーで手に入る。




2時間ほど柚子の奥深さを満喫したイベントだった。


ジャニスの独創的なスイーツを試してみたい方は、ぜひ彼女のデザートバーへ!

2am:dessertbar
21a Lorong Liput, Holland Village
TEL: 6291-9727
http://www.2amdessertbar.com/


柚子のお酒も美味しいのです♪

2013年1月29日火曜日

アルゼンチングリル料理でがっつり肉食系女子パーティ! SALTA

私が前職を去る際に、スタッフ達で「定期的に集まって食事しようよ」という話になった。最初の食事会はタンジョンパガーの「雲」で開催し、2回目の食事会は奇しくも「雲」の隣のアルゼンチングリル料理店「SALTA」で開催することになった。




参加者のほとんどが体育会系=「肉食系」女子である。
「次のKiyomi's Nightどこにしようか」
「肉が良いね」
「タンジョンパガーで集まれる肉好きの店は」
「SALTAだね」といった感じで即決。
「ええ~どうしようかなぁ~う~んとぉ~ああ~んもう決められない~っ o(´^`)o」といった乙女的な前振りは皆無である。

店に入った時点から、牛さんの部位が表示された壁に盛り上がる。




 牛さんから頂いた命の肉をしっかりといただかなければ。




早速メニューと格闘中。それを見守る牛さん。




みんながメニューと格闘している間に当店の説明をしよう。

この店の名前になっているサルタとは、アルゼンチンの北部、チリ、ボリビア、パラグアイとの国境からほど近い標高1,190mに位置する街である。コロニアル様式の歴史的建築物が今なお多く現存する観光都市で、付近のトロ渓谷は、標高4,200mの峠を何度もスイッチバックしながら越える「雲の列車」で知られている。

当然ながらこの店のスペシャリティはアルゼンチン料理。特に牛肉のParrilla(パリージャ・スペイン語でグリル料理の意)がここのメイン料理だ。当店ではアルゼンチンの農場で放牧されて育った赤身が多く脂肪分が少ない牛を扱っている。全長5メートルの炭焼きグリルでじっくりと香ばしく焼かれた牛肉に期待が高まる。




さてそろそろメニューも決まった。まずはスパークリングワインで乾杯 (*^^)o∀




メインディッシュを待つ間にガーリックブレッドを。




夢中で食べている最中、お店からご厚意でパンをプレゼントいただいた。そうとうひもじく見えたのだろうか(笑。




何となくアルプスの少女ハイジに出てくる黒パンを思い出させる。これに下写真のソースを付けて食べるのだが、これが美味しい。サラダとともに頂き、この時点で既に腹7分目といったところだ。




ちょうどこの時はメイン料理を注文すれば$10でアペタイザーのビュッフェを追加できるプロモーションを行っていた。肉を残さず食べることに全力を注ぎたい私たちは見送ったのだが、以下の通りバラエティ豊富なこのビュッフェ、少人数で来店する時には使えそうだ。




さて早速本日のメイン料理、牛のグリル料理のお出ましである。




アイ・アム・ミディアム、と牛さんが自ら解説してくれている。
では、早速がっつりいってみようと思う。




切ってみると、外はこんがり、中はしっとり。余分な脂も落ち体育会系が好む健康的なステーキだ。 肉料理に合うアルゼンチン産のマルベックとともに美味しくいただく。

みんなが我を忘れ食肉族と化しているところに、隣の雲さんから廣橋シェフと野田シェフが様子を見に来てくれた。実は「雲」と「SALTA」は同系列のお店。シンガポール最大の独立系不動産デベロッパーであるファーイースト・オーガナイゼーションが運営しており、他にもオーチャードセントラルのイタリアンOChre(オーカー)やディーン・アンド・デルーカ、アイスクリームのコールドストーンクリ―マリー等が同傘下にある。ちなみにSALTAのシェフ、ニコラさんはブエノスアイレス出身、スペインの三ツ星レストランをはじめ世界各国でステーキ料理を中心に腕を磨かれたそうだ。




そして当店で忘れてならないのがこのEmpanada(エンパナーダ・肉入りパイ)。スペイン語圏で広く食べられる家庭料理である。日本でいうところの餃子みたいなものかしら?




スパイスの効いた肉やチーズがたっぷり詰まっている。食べ応えある3ピース$8はリーズナブルだ。メインの肉料理もほとんどが$30台なので、グループでシェアすれば割と手ごろに色んなものが楽しめると思う。

美味しくいただいたところで、そろそろ二次会へ。近くのコリアンバーでのマッコリナイトに移行するのだが、そのストーリーは諸事情により割愛させていただくとする(笑。


肉食系女子大満足のSALTA、旧正月の新年会、春の歓送迎会などこれからのグループディナーにお勧めの場所である。


ごちそうさまでした!


SALTA
#01-56 Icon Village, 12 Gopeng Street
TEL: 6225 8443http://www.saltaparrilla.com.sg