東京から元気いっぱいの居酒屋がやってきた 型無

「型にはまる事無く、自由な発想でのびのびと生きる」
これが型無にかけた創業者の想いだという。

学芸大学、三軒茶屋、川崎で馬刺しや串揚げの専門店を4店舗展開する型無が、今年9月に海外初店舗をオープンさせた。場所はボートキー、エノテカ・オペレッタの隣りだ。

「安くて美味しい」と周りの評判も高く、私も訪れる機会を楽しみに待っていた。

ラッフルズプレイス側を背に川沿いを歩き、ひときわ威勢の良い当店に到着。
「Are you ready?  The customer is coming!  いらっしゃいませ～！」
の掛け声で、テラス席のテーブルに通された。スタッフは日本人、あるいは日本語が多少喋れるローカルスタッフをラインアップしているようだった。

「とりあえずビールを」

さっと出てきた。

「とりあえずビール」の習慣がないシンガポールでは、メニューをもらって、ビールを注文して、何分か経って出てくる、ということが多いのだが、さすがは日系居酒屋。「待ってました！」かのような素早さだ。

食事が美味しいと聞いていたのだが、なぜかおつまみメニューしかなく、他に食事メニューはないとのことだった（時間が早かった？　謎(*_*)）。
おなかが空いていたので、片っ端からおつまみを注文することにした。

そこには「じゃんけん枝豆」という面白い一品が。スタッフとじゃんけんをして、勝ったら5つの指全部で、負けたら3本の指で枝豆のつかみ取りができるというものだ。全くじゃんけんを知らない欧米人の友人と来ているので、まずはじゃんけんを説明しなければならなくなった。

「ロック、ペーパー、シザーズね・・・。『最初はグー』だから、スタート・ウィズ・ロック、ワンツースリーだよ」

で、友人が出したのがこれ。

相手を圧倒するようなパーではあるが、完全に負けている。
優しいローカルスタッフが、「今回は5本の指でオッケーです！」と言ってくださった。

すると躊躇もせず、

あのねぇ・・・(^_^;)

ざるから半分位をかっさらったのではないだろうか（笑。
しかしみんなで残さずきちんと平らげた。

蛸とわさびの和え物。
欧米人の友人は苦手そうだったが、わさびが良く効いていて美味しかった。

自家製クリームチーズメープル添え・・・だったかな？　日本の店舗でも人気のおつまみのようだ。
ところで、日本の店舗のフェイスブックを見ると、店ではその日の食材によって色んなメニューが出されているようだ。「復興支援メニュー」というのもあって、南三陸で獲れたぶりなど被災地の食材を使っていた。売上の半分が復興支援に寄付されるという（日本の店舗のみ）。

まぐろとアボカドの和風タルタル。これも日本での定番メニューのようだ。

メニューを失念してしまったが、確か冷奴とオクラだったような・・・。
そして、日替わりスペシャルのパンプキンクリームうどんをオーダー。

かぼちゃクリームのまろやかさとうどんの柔らかさがベストマッチで美味しかった。うどんも良い具合に茹で上がっていた。炭水化物を欲していたみんなでガツガツと食べた（笑。

後で来たグループが、「オムそば！」と注文しているのを聞き、「えっ？　そんなのメニューにあったっけ？」と思ったが、とりあえずおなかは満たされたので、今回はこれまでとした。

ウェブサイトによると、型無の創業者である矢野さんは、日本生まれ・バンクーバー育ちの若干32歳。18歳で飲食業界に飛び込み、7年をかけて飲食のイロハを学んだ後、わずか27歳で独立開業された。被災地支援メニューや自家農園の有機野菜を使ったメニュー、臨場感あふれるオープンキッチンの導入など、若い感性を活かしたユニークな試みをされている。「型にはまる事無く、自由な発想でのびのびと生きる」という会社理念をご自身でもしっかりと実践されている。

「Are you ready?  The customer is leaving!　ありがとうございました～！」
という威勢の良い掛け声で店を後にした。
すぐ隣を含め、高級レストランも点在するエリアなので、この賑やかさは大丈夫かな・・・と気になったのだが、この雰囲気がボートキーに合っているのかもしれない。若くて元気いっぱいのスタッフのみなさんにこちらも元気をいただいた。


ごちそうさまでした！


型無（かたなし）
77 Boat Quay
TEL: 6533-0490